韓国ドラマ名作10選|歴史時代劇ファン必見の傑作
韓国ドラマといえば恋愛ものだけではありません。重厚な歴史考証、波乱万丈な宮廷劇、そして命がけの愛と忠義——韓国の歴史時代劇(사극)は、何十話にもわたって視聴者を引き込む独自の魅力があります。
今回は、韓国ドラマの歴史時代劇のなかから特に見応えのある名作10作品を厳選してご紹介します。どれもじっくり腰を据えて楽しめる大河ドラマばかりです。
王と私(2007年 / SBS / 全63話)

主演:オ・マンソク、ク・ヘソン、コ・ジュウォン
あらすじ
舞台は朝鮮王朝の第9代王・成宗(ソンジョン)の時代。父親を親友の裏切りによって殺された少年チョソンは、数奇な運命から幼い頃に恋心を抱いた貴族の娘ユン・ソファを守るため、自ら去勢して内侍(ネシ)となることを決意します。宮廷で再会する成宗、ソファ、そしてチョソンの三角関係と、宦官として波乱に満ちた人生を送るチョソンの一代記が描かれます。放送前からホームページへのアクセスが500万件を突破するほど注目を集め、第4話で25.5%という高視聴率を記録。人気のあまり13話も延長されました。
見どころ
本作の最大の特徴は、韓国ドラマ史上初めて「内侍(宦官)」にスポットを当てた大作王朝ドラマであることです。内侍府の日常や養子縁組の慣習など、これまでベールに包まれていた宮廷の裏側が丁寧に描かれています。愛する女性を守るためにすべてを犠牲にしたチョソンの純粋で切ない愛情、そして廃妃ユン氏の悲劇的な運命——人間の感情を深く掘り下げた「ヒューマンドラマ」として高い評価を受けています。子役時代のパク・ボヨン(ユン・ソファ役)やユ・スンホ(成宗子役)の名演も見逃せません。
馬医(2012年 / MBC / 全50話)

主演:チョ・スンウ、イ・ヨウォン
あらすじ
17世紀の朝鮮王朝時代。罪をかぶせられて処刑された父を持つクァンヒョンは、「女児なら処刑を免れる」という事情から、出生時にすり替えられ奴婢として育てられます。馬の医者(馬医)として腕を磨くうちに人間の治療にも才能を発揮し、やがて王の主治医にまで登り詰めるという、実在した人物の激動の一代記です。物語の発端となる「昭顕世子暗殺事件」は、朝鮮王朝史に残る歴史的ミステリーとも絡み合い、クァンヒョンの出生の秘密とともにドラマチックに展開します。
見どころ
「チャングムの誓い」「イ・サン」「トンイ」と名作を生み出してきた時代劇の巨匠イ・ビョンフン監督の作品で、本作で医療ドラマ3作目となります。これまでほとんど取り上げられてこなかった獣医学の世界を新たなテーマに据え、鍼灸などの治療シーンにこだわったリアリティーが見どころのひとつです。また、身分の壁や陰謀に翻弄されながらも互いを想い続けるクァンヒョンとチニョンの切ないラブストーリーも、涙なしには見られません。奴婢から王の主治医へと上り詰めるサクセスストーリーは、何度見ても心を奮い立たせてくれます。
六龍が飛ぶ(2015年 / SBS / 全50話)

主演:ユ・アイン、キム・ミョンミン、シン・セギョン
あらすじ
高麗末期の14世紀。腐敗した王朝を打倒し、理想の新国家を打ち立てようとする6人の英雄「六龍」の物語です。朝鮮王朝の礎を築いた実在の人物——開国の祖イ・ソンゲ、建国の功臣チョン・ドジョン、後の第3代王・太宗となるイ・バンウォン——に加え、庶民出身の女性プニ、剣客イ・バンジ、武人ムヒュルという架空のキャラクターを絡め、高麗滅亡から朝鮮建国という激動の時代を壮大なスケールで描きます。政治家や貴族だけでなく、乱世に苦しむ民の視点からも革命の歴史が語られる点が秀逸です。
見どころ
「チャングムの誓い」や「善徳女王」を生み出した人気脚本家コンビ(キム・ヨンヒョン&パク・サンヨン)が担当し、史実とフィクションを絶妙に融合させた一級のエンターテインメント作品に仕上がっています。主演のユ・アインは、夢を信じる理想主義の青年から権謀術数を駆使する冷酷な野心家へと変貌するイ・バンウォンを圧倒的な演技力で体現。「最高のキャスティング」と韓国内外で絶賛されました。壮大な歴史ロマン、迫力のアクション、そして人間の業と理想の葛藤——重厚な大河ドラマとして高い完成度を誇ります。
善徳女王(2009年 / MBC / 全62話)

主演:イ・ヨウォン、コ・ヒョンジョン、オム・テウン
あらすじ
朝鮮半島初の女王——三国時代の新羅を舞台に、妖艶な権力者ミシルに翻弄されながらも、やがて善徳女王として即位するトンマン王女の数奇な半生を描きます。双子として生まれたトンマンは「双子が生まれると王族男子が絶える」との言い伝えにより存在を隠され、侍女に育てられました。成長した彼女は自らの出自を知り、幼馴染の武将キム・ユシンとともにミシルとの戦いに挑みます。双子の姉チョンミョン王女との再会や、名将キム・ユシンとの絆も物語の大きな柱となっています。
見どころ
本作の最大の魅力は、圧倒的な存在感を放つ悪役・ミシルです。歴代の王を色仕掛けで操り、権力を手中にしてきた妖女ミシルをコ・ヒョンジョンが怪演し、視聴者を完全に虜にしました。トンマンvsミシルの対立構図は緊張感があり、まるで将棋の名人戦を見るような知略の応酬が続きます。また、花郎(ファラン)制度など三国時代の文化や、統一新羅への歴史的背景も学べる点は歴史好きにはたまりません。放送当時は韓国で社会現象となり、最高視聴率40%超えを記録した伝説の名作です。
海神(2004年 / KBS / 全51話)

主演:チェ・スジョン、チェ・シラ、ソン・イルグク
あらすじ
9世紀の統一新羅時代を舞台に、実在した「海の英雄」チャン・ボゴ(張保皐)の激動の一代記です。朝鮮半島南端の清海で奴隷として生まれたクンボク(後のチャン・ボゴ)は、父親を殺され、濡れ衣を着せられ、唐へと売り払われてしまいます。次々と苦境を乗り越え、武術と商才を開花させたチャン・ボゴは、唐・新羅・日本を股にかける「東アジアの海の覇者」へと成り上がっていきます。国際エミー賞の本選にもノミネートされた、まさに「世界が認めた歴史スペクタクル超大作」です。
見どころ
2004年の制作当時、韓国テレビドラマとしては異例の総製作費150億ウォンを投入。太平洋や砂漠を舞台にした大規模ロケには延べ1,500頭の馬と2万人ものエキストラを動員した、圧倒的なスケールが本作の最大の見どころです。また、カリスマ俳優チェ・スジョンが演じる主人公チャン・ボゴと、ソン・イルグク(朱蒙の俳優です!)演じる宿命のライバル・ヨムジャンとの間の美しくも悲しい友情と因縁が、物語の核心を担っています。平均視聴率30%・最高視聴率36%という記録的な数字が本作の人気を物語っており、「海神」は後の壮大なスペクタクル時代劇のさきがけとなった記念碑的な作品です。
奇皇后(2013年 / MBC / 全51話)

主演:ハ・ジウォン、チュ・ジンモ、チ・チャンウク
あらすじ
14世紀、高麗人として初めて宗主国・元の皇后となった「奇皇后」の壮絶な生涯をモチーフにした歴史大作です。高麗の少女キ・ヤンは、母親とともに元への「貢女(コンニョ)」として連行される途中で母を失います。男装して「スンニャン」と名乗り生き延びた彼女は、弓の名手としてならず者たちを率いるようになります。そしてやがて、高麗の王ワン・ユと元の皇帝タファンという2人の男性の愛の狭間で翻弄されながら、強国・元の皇后へと上り詰めていきます。MBC演技大賞で7冠を達成した大ヒット史劇です。
見どころ
男装の麗人・スンニャンを演じたハ・ジウォンの、アクションから宮廷の権謀術数まで幅広く見せる圧巻の演技が本作の最大の魅力です。弓を手に疾走する力強い少女から、知略を駆使して生き抜く皇后へと成長するヒロインの姿は、多くの視聴者を熱狂させました。また、高麗の王ワン・ユを演じたチュ・ジンモの包み込むような大人の愛と、元の皇帝タファン(チ・チャンウク)の一途な愛という「ふたつの愛」の対比は、サブタイトルを体現する見どころとなっています。「復讐」というテーマが全51話を貫き、最後まで目が離せない構成です。
トンイ(2010年 / MBC / 全60話)

主演:ハン・ヒョジュ、チ・ジニ、イ・ソヨン
あらすじ
17世紀の朝鮮王朝時代、最下層の賤民として生まれながらも、第19代王・粛宗(スクチョン)の側室となり、後の第21代王・英祖の生母となった実在の人物「淑嬪崔氏(スクピン・チェシ)」の波乱万丈な一代記です。幼いトンイは、父と兄を濡れ衣で殺されるという悲劇に見舞われます。父と兄の汚名をすすぐために宮廷に潜り込んだトンイは、やがて監察府の宮女として才能を開花させ、宮廷内の権力闘争と陰謀に立ち向かっていきます。悪女として知られる張禧嬪(チャン・ヒビン)との宮廷での激しい女の闘いも、物語のひとつの柱となっています。
見どころ
「チャングムの誓い」「イ・サン」を手がけた巨匠イ・ビョンフン監督の集大成とも言える本作は、最高視聴率33.1%を記録した国民的ドラマです。主演のハン・ヒョジュは本作でMBC演技大賞の大賞を史上最年少で受賞。困難に屈せず明るく前向きなトンイのキャラクターが共感を呼び、単なる歴史ドラマを超えた「感動のサクセスストーリー」として愛されています。また、張禧嬪とトンイの対立を描いた女性同士の権力闘争はドロドロしながらも目が離せず、宮廷ドラマの醍醐味が凝縮されています。幼少期のトンイを演じた子役・キム・ユジョンの可愛らしさと名演技も必見です。
イ・サン(2007年 / MBC / 全77話)

主演:イ・ソジン、ハン・ジミン、イ・スンジェ
あらすじ
朝鮮王朝第22代王・正祖(チョンジョ)の半生を描いた歴史大河ドラマです。イ・サン(後の正祖)が11歳のとき、王位継承者だった父・思悼世子(サドセジャ)が謀反の濡れ衣を着せられ、祖父・英祖によって米びつに閉じ込められて命を落とすという衝撃的な「米びつ事件」から物語は始まります。父の遺言「聖君になれ」を胸に抱いたサンは、朝廷内の反対勢力の陰謀や幾度にもわたる暗殺の危機を乗り越え、民を大切にする賢明な王として成長していきます。瞬間最高視聴率38.9%を記録した大ヒット作です。
見どころ
「チャングムの誓い」「トンイ」と並ぶイ・ビョンフン監督の代表作で、史実に基づきながらも人間ドラマとして非常に完成度が高い一作です。陰謀と権力闘争が渦巻く宮廷の中で、理想の政治を諦めず民のために戦い続けるサンの姿は「こんな王がいたなら」と思わずにはいられない感動を与えます。また、幼い頃から互いを想い続けるサンと絵師ソンヨン(ハン・ジミン)の純愛ラブロマンスも涙を誘います。なお「トンイ」はこの「イ・サン」で登場する英祖の生母を描いた作品であり、両作品を続けて見ると物語の深みが何倍にも増します。
チャングムの誓い(2003年 / MBC / 全54話)

主演:イ・ヨンエ、チ・ジニ
あらすじ
16世紀の朝鮮王朝、第11代王・中宗の時代を舞台に、宮廷の陰謀で命を落とした母の夢を継ぎ、逆境を乗り越えて宮廷一の料理人・そして医女へと成り上がっていくチャングムの物語です。貧しい家庭に生まれたチャングムは、母の遺志を胸に宮廷女官を目指します。宮廷に入り料理の才能を開花させますが、チェ尚宮らの陰謀に巻き込まれ、流刑の地・済州島へと送られてしまいます。しかしそこで出会った医女の師匠のもとで医術を学び、再び宮廷へと帰還する——不屈の精神で困難に立ち向かうヒロインの姿が世界を感動させました。
見どころ
世界150カ国以上に輸出され、アジア全域で空前の韓流ブームを巻き起こした歴史的名作です。料理、医術、宮廷政治と多彩な要素が見事に絡み合い、54話を通じて飽きさせません。主演のイ・ヨンエは、知的で力強いチャングムを自然体で演じ、日本でも「大長今(テジャングム)ブーム」を引き起こしました。料理の対決シーンの迫力や、中宗との関係に絶妙な距離感を保ちながら展開するラブロマンスも見どころです。「チャングムの誓い」なしに韓国歴史時代劇を語ることはできないと言っても過言ではない、不朽の名作です。
華政(2015年 / MBC / 全65話)

主演:イ・ヨニ、チャ・スンウォン、キム・ジェウォン、ソ・ガンジュン
あらすじ
17世紀の朝鮮王朝を舞台に、実在した王女・貞明公主(チョンミョンコンジュ)の波乱万丈な生涯を描いた歴史エンターテインメントです。第14代王・宣祖の嫡流の王女として生まれた貞明公主は、権力争いに巻き込まれ、弟を殺した第15代王・光海君によって庶民に降格されてしまいます。倭国(日本)へと逃れ「ファイ」と名乗り男のふりをして過酷な日々を生き延びた彼女は、やがて帰国を決意。光海君への復讐心を胸に秘めながら、光海君から仁祖、そして孝宗と移り変わる激動の時代を83歳まで生き抜いた「朝鮮一の長寿王女」の物語が、壮大に展開します。
見どころ
カリスマ俳優チャ・スンウォンが初の時代劇で演じた光海君の、凄みのある演技と圧倒的な存在感が本作の前半を強烈に牽引します。暴君でありながら葛藤と苦悩も内包するキャラクターの多面性は、多くの視聴者が「憎み切れない」と語るほどの説得力を持っています。主演のイ・ヨニは、気高く芯の強い貞明公主を繊細に熱演。また、日本(長崎)が舞台になる展開や、ソ・ガンジュンが演じるヒーロー・ホン・ジュウォンとの甘酸っぱいラブストーリーもアクセントとなっています。MBC演技大賞・10大スター賞を受賞した、2015年韓流時代劇を代表する名作です。
まとめ
今回ご紹介した10作品は、どれも韓国の歴史時代劇を代表する名作ばかりです。初めての方には「チャングムの誓い」や「トンイ」から入るのがおすすめ。歴史の重厚感を楽しみたい方は「六龍が飛ぶ」や「善徳女王」、スケールの大きなスペクタクルを求めるなら「海神」、イ・ビョンフン監督作品を続けて見るなら「チャングムの誓い→イ・サン→トンイ→馬医」の流れがおすすめです。
長編作品が多いですが、一度はまってしまうと全話があっという間に終わってしまう——それが韓国歴史時代劇の魅力です。ぜひ気になる作品から視聴してみてください。

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