Netflixシリーズ『ガス人間』で突如現れた、ひときわ大きな存在感を放つ俳優がUTAです。
筆者も初めて知りました。
身長約190センチというモデルならではのスタイルと、どこかミステリアスな雰囲気。しかも父は俳優の本木雅弘、母はエッセイスト・ミュージシャンの内田也哉子、祖父母は内田裕也さんと樹木希林さんという、日本屈指の表現者一家に生まれています。
しかしUTAは、いわゆる「芸能一家の二世」という枠だけでは語れない人物です。
バスケットボールに打ち込んだ少年時代、海外生活、世界を舞台にしたモデル活動、そして俳優への挑戦。2026年7月には『ガス人間』で俳優デビューし、8月にはテレビ朝日『帰れマンデー見っけ隊!!』で人生初のバラエティーロケにも挑戦しました。
今まさに活動のフィールドを大きく広げている注目の存在です。
UTAのプロフィール

UTAは1997年10月1日生まれ、東京都出身。モデルとして2018年に本格的な活動をスタートさせました。長身を生かし、国内だけでなく海外のファッションシーンでも活動しています。
父は映画『おくりびと』などで知られる名俳優・本木雅弘さん、母はエッセイスト、ミュージシャンとして活動する内田也哉子さんです。
さらに母方の祖父はロックミュージシャンの内田裕也さん、祖母は日本を代表する俳優・樹木希林さん。妹は俳優として映画出演歴のある内田伽羅さん、弟の玄兎さんを含む3きょうだいの長男です。
これだけを見ると幼い頃から芸能界を目指していたように思えますが、実際は違いました。
NetflixのインタビューでUTAは、芸能の道へ進むよう家族からプレッシャーをかけられたことはなかったと振り返っています。幼少期の彼が夢中になったのは、芝居でもモデルでもなくスポーツでした。
原点はバスケットボール、12歳でスイスへ
UTAの人物像を知るうえで欠かせないのが、バスケットボールです。
12歳で単身スイスへ留学し、そこでバスケットボールと出会いました。その後はアメリカ・フロリダ州の名門スポーツ校IMGアカデミーへ進学。将来NBA選手になるようなハイレベルな選手たちとともに競技生活を送っています。
当時は「日本でプロバスケットボール選手になりたい」という思いを持っていたUTA。しかし大学進学後、選手としての将来について考える時期が訪れます。
そこでひとつの転機を与えたのが、祖母の樹木希林さんでした。
モデルのオーディションを受けるか迷っていたUTAに、樹木さんは、服を着る仕事を通して自分を客観的に見ることは人生にも役立つ、といった趣旨の言葉をかけました。その一言が、新しい世界へ踏み出すきっかけになったといいます。
世界を舞台にモデルとして活躍
バスケットボールで鍛えた体をモデル向けに絞り込み、本格的にファッションの世界へ入ったUTA。
2018年にはパリ・ファッションウィークのランウェイでモデルデビュー。その後は「エルメス」や「コム デ ギャルソン」など、国内外のトップブランドの舞台に立つまでになりました。
父や祖母の知名度とは別の場所で、自分自身の身体と表現力を武器に世界へ挑戦してきた点は、UTAを語るうえで重要でしょう。
華やかな芸能一家に育ちながら、実際のキャリアはスポーツから始まり、モデルとして一歩ずつ築いてきました。
『ガス人間』でついに俳優デビュー

そんなUTAに大きな転機が訪れたのがNetflixシリーズ『ガス人間』です。
2026年7月2日に世界独占配信された同作で、UTAはタイトルにもなっている“ガス人間”という重要な役に抜擢されました。これが俳優デビュー作です。
Netflix側はUTAを、演技経験による色がまだついていない「真っ新な役者」として起用。長身から生まれる圧倒的な存在感と、何を考えているかわからない独特の空気が、得体の知れない“ガス人間”というキャラクターに重なりました。
もっとも、UTAは突然俳優になったわけではありません。
以前から海外作品のオーディションを受けるなど、俳優になるための挑戦を続けていました。『ガス人間』では撮影前に約3カ月の準備期間を設け、演技レッスンを重ねたといいます。
華々しい“俳優デビュー”の裏側には、モデルとはまったく違う表現方法をゼロから学んだ時間があったのです。
Netflix『ガス人間』とはどんなドラマ?
『ガス人間』は、1960年に東宝が製作した本多猪四郎監督の特撮映画『ガス人間第一号』を現代によみがえらせたSFサスペンスです。
ただし単純なリメイクではありません。Netflixと東宝がタッグを組み、設定を生かしながら完全オリジナルストーリーとして再構築しています。監督は『ガンニバル』などの片山慎三。『新感染 ファイナル・エクスプレス』などで知られるヨン・サンホが脚本・エグゼクティブプロデューサーを務めています。全8話です。
物語は、生放送中のテレビ番組で人間が突然膨張し、破裂死するという衝撃的な事件から始まります。
犯人は、自分の肉体を自由にガス化させ、壁や障害物さえすり抜けることのできる“ガス人間”。さらに連続殺人を予告し、日本中が恐怖と好奇心に包まれていきます。
やがて事件の背後には、ある組織が弱者を利用し、使い捨てにした過去の極秘プロジェクトが存在していたことが浮かび上がります。単なる怪人ものではなく、人間を生み出した社会そのものにも目を向けた物語になっています。
『ガス人間』の主なキャスト
主演は小栗旬。ガス人間を追跡する警視庁捜査一課の刑事・岡本賢治を演じます。
蒼井優はテレビ局の報道記者・甲野京子役。広瀬すずと林遣都は都市伝説系の動画チャンネルを運営する兄妹として事件へ接近します。
そしてUTAが、物語の中心となる“ガス人間”を演じています。
そのほか竹野内豊も出演。小栗旬、蒼井優、広瀬すず、林遣都、UTA、竹野内豊という豪華な顔ぶれがそろいました。
UTAにとって難しかったのは、単に恐ろしい怪人を演じるだけではなかった点でしょう。
劇中では“ガス人間”になる以前の人間らしい姿との二面性も求められました。UTA自身もNetflixのインタビューで、そのギャップをどう表現するかを監督らと話し合い、さまざまなパターンを練習したと明かしています。
『帰れマンデー』では人生初のバラエティーロケ

帰れマンデーで初ロケ(番組での一コマ)
俳優デビュー後、UTAはさらに活動の場を広げています。
2026年8月17日放送のテレビ朝日『帰れマンデー見っけ隊!!』では、人生初となるバラエティーロケに挑戦しました。
舞台は人気避暑地の軽井沢。サンドウィッチマン、高橋成美、紅しょうがらと一緒にグルメを巡る“爆食旅”に参加し、ドラマやファッションショーとは違う素顔を見せました。
『ガス人間』で見せる不気味でミステリアスな姿から一転、バラエティーでは本人の自然なキャラクターが見えるところも興味深いポイントです。
本人は自身について「楽観的でピースフルな方」と語っています。クールな外見とのギャップも、UTAの魅力なのかもしれません。
「芸能一家の息子」から、一人の表現者UTAへ
本木雅弘さんと内田也哉子さんの長男、樹木希林さんと内田裕也さんの孫。
UTAにはどうしても、華麗な家族の名前がついて回ります。
しかし、その経歴をたどってみると、むしろ「自分の道を自分で探してきた人」という印象が強くなります。
海外へ渡ってバスケットボールに熱中し、プロを目指す。道に迷ったときにはモデルという未知の世界へ入り、世界のランウェイを経験する。そして今度は、演技経験ゼロからレッスンを重ね、『ガス人間』という難役で俳優デビューを飾りました。
学生時代をスイスやアメリカで過ごし、国際的な環境の中で育ったUTAは、今後について海外でも認められる俳優を目指したいという思いも語っています。
モデル、俳優、そしてバラエティーへ。
2026年は、UTAにとって「本木雅弘の息子」という紹介を超え、自分自身の名前を広く知らしめる一年になっていると言えそうです。
『ガス人間』はゴールではなく、俳優UTAのスタート地点です。
190センチ近い恵まれた体格、海外経験、モデルとして培った身体表現。そして、樹木希林さんや内田裕也さん、本木雅弘さんら表現者に囲まれながらも、自分自身で選択してきた独特の感性があります。
次にどんな役を演じるのでしょうか。モデルから俳優へ、そして世界へ――。UTAはこれからさらに面白い存在になっていきそうです。

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