皆さん、こんにちは!
最近、一気に映画「箱の中の羊」が注目を浴びていますね。とくに大悟さんが映画初主演!という点。いったいなぜ大悟?と思った人も多いようです。
ただ、大悟さんって、俳優向きかもしれません。すごく魅力的です。
この記事では、映画初主演のことやキャスト、あらすじを押さえつつ、これまで大悟さんが何を語ってきたのか。すべてまとめてみました。
作品概要——「星の王子さま」から生まれた近未来の家族劇
「怪物」「万引き家族」の是枝裕和監督が、綾瀬はるかとお笑いコンビ「千鳥」の大悟を主演に迎え、亡き息子の姿をしたヒューマノイドを迎え入れた夫婦の物語をオリジナル脚本で描いた長編映画です。
舞台は少し先の未来。建築家の甲本音々(綾瀬はるか)とその夫で工務店の2代目社長を務める健介(大悟)は、2年前に亡くした息子・翔の姿をしたヒューマノイドを迎え入れることになります。ヒューマノイドが到着した日、翔と同じ笑顔と声をした彼を音々が喜んで迎える一方で、健介は戸惑いを隠しきれず硬い表情を浮かべます。家族の時間は少しずつ動き出すが、やがて予期せぬ事態が起こり、夫婦が息子の死に対してそれぞれ抱えていた想いがあらわになっていきます。そんな中、ヒューマノイドの翔はひそかにヒューマノイドの仲間たちとつながりはじめます。
物語の核心にあるのは、「人は何をもって家族になるのか」という問いです。ヒューマノイドから「パパだよね」と問われた健介が「おじさんでええよ」と答えてしまうシーンが、夫婦の深刻なすれ違いを静かに物語っています。
タイトルの「箱の中の羊」は、サン=テグジュペリの名作小説「星の王子さま」の一節に由来します。王子さまが「ヒツジを描いて」とお願いした際、語り手が箱を描き「中にヒツジがいる」と答えた場面から着想されており、「見えないものを想像で補い、心で見ること」そのものが作品のテーマと響き合います。
是枝監督によれば、生成AIを使って死者を蘇らせる中国のビジネスが着想の出発点だったといい、「起業した方にインタビューする中で、ロボット工学の進化に合わせてヒューマノイドとして『ただいま』と帰ってくるところまで自分のビジネスを広げたいという話を聞いた。そうなると結構大変だけれども、それが実現した未来の設定で書いてみようと思った」と述べています。
2026年5月開催の第79回カンヌ国際映画祭で長編コンペティション部門に選出されており、アジア・北米・ヨーロッパなど世界各国での公開も予定されています。
豪華キャスト陣
亡き息子・翔とその姿をしたヒューマノイドの2役には、オーディションで200人以上の中から選ばれた桒木里夢(くわきりむ)を抜擢。音々の妹・小滝亜利寿役で清野菜名、健介が経営する工務店タマケンの従業員・日高玄役で寛一郎、音々の母・西村信代役で余貴美子、タマケンの熟練工・山縣昭男役で田中泯が共演しています。さらに東京03の角田晃広、野呂佳代、星野真里、中島歩らも名を連ねる、豪華な顔ぶれです。
大悟のこれまでの映画出演歴

「箱の中の羊」が映画初主演と銘打たれていますが、大悟はこれまでも個性的な助演として複数の映画に顔を出してきました。映画出演の主なものを挙げると、「漫才ギャング」(2011年、岩崎役)、「莫逆家族 -バクギャクファミーリア-」(2012年、渡辺武役)、「ガチバン NEW GENERATION」「同2」(いずれも2015年、馬場役)、「Zアイランド」(2015年、内田役)、「任侠野郎」(2016年、柴田源治役)、「桃とキジ」(2017年、鬼塚宗助役)、「ひとよ」(2019年、友國淳也役)、「OUT」(2023年、少年院の教官役)と、ヤクザや不良、任侠もの、強面の男といったアウトロー系の役柄を演じ続けてきました。「夜明け告げるルーのうた」(2017年)では声優も務めています。
「漫才ギャング」「Zアイランド」では品川ヒロシ監督との縁をつなぎ、その関係性は後に映画「OUT」(2023年)へと続いています。これらはいずれも助演であり、今回の「箱の中の羊」が、名実ともに初の映画主演作となります。
「大丈夫なんかな、ワシ」——大悟は何を語ってきたか
クランクイン時——「ビビってます」
映画の公式サイトに掲載されたクランクイン直後のコメントから、大悟の正直すぎる胸中がにじみ出ています。「クランクインです。ビビってます。これだけの人と時間をかけて、今からすごいことが始まるんだなと楽しみは楽しみですが、大丈夫なんかな”ワシ”ってほうが大きいです」という言葉は、まさに大悟らしい素直さです。
相手役の綾瀬はるかさんへの第一印象も正直でした。「一番最初にお会いしたときに『ごめんね、ワシがダンナ役で』と言ったら優しい顔で笑ってくださいました」と振り返っています。
是枝監督の演出方法についても驚きを明かしています。「是枝監督からは『大悟さん、そんなにきっちりセリフ覚えなくても、僕が現場で耳打ちする感じでそれをそのまま自分なりにやっちゃってください』と言って頂きました。それは監督がこれまで子役に使ってきた手法らしくて……。そう仰っていただいて自由にやっていいんだなって、非常に気持ちが楽になりました、今のところは」とつけ加えており、最後の「今のところは」という保険のかけ方が大悟らしいユーモアです。
「日頃は笑ってもらうお仕事をしていますが、大悟が出た、大悟がしゃべった、大悟が現れたで笑われないように頑張りたいです。あとは、監督にお任せします。どういうのが出るかなって、自分でも楽しみです」——芸人として笑わせることを生業としてきた大悟にとって、「笑われない演技」を目指すこと自体が、新鮮な挑戦だったのです。
撮影中——「モニターで映像を確認することが一回もなかった」
大悟は「『こうやってください、こういう表情してください』って言われることは、ほとんどなかった」と振り返っています。撮影中にクセで出てしまった一人称の「わし」もそのまま採用され、表情や動きなどあらゆる面において自然体で撮影に臨みました。撮影中は「モニターで映像を確認することが一回もなかった」という感覚派でしたが、その理由を尋ねると「なんか、恥ずかしいから。終わるまでどうなってるんやろって不安だった」と苦笑いしました。
完成披露試写会——「笑かしてはないです」
2026年5月11日、東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで開催された完成披露試写会のイベントで、大悟はこんな挨拶をしました。
舞台挨拶という場が初めてに近いことを認めながら、「すごい雰囲気ですね」と一言。緊張した面持ちで登壇したあと、綾瀬はるかが相手役だと改めて実感したことに触れ、「それはこっちの方がびっくりしましたよ。監督にも聞いたんですよ。綾瀬はるかさんの旦那役でいいんですか?みたいな。そん時監督は、大悟さんが思うほど違和感ないですよみたいな」と明かしました。
完成後に会見で大悟は「人によって、また誰と見に行くかによって、感想も違うのかなと思います。いろいろ考えてみていただきたい映画です。期待外れかもしれませんが、大悟は笑かしてはないです(笑)。ちゃんと演技をやっていますので、ぜひ楽しんでいただきたいです」と語りました。
芸人・大悟としての矜持と、俳優・大悟としての緊張感が同居していますね。
「すげえな監督!こんなにわしを違和感なく仕上げたか」

写真引用:映画公式サイトhttps://gaga.ne.jp/
初めて完成した映像を観たときの感想も素直で痛快です。「すげえな監督!こんなにわしを違和感なく仕上げたか」と感嘆し、「自分で見てそんなに違和感ないなら、みんなから見ても(違和感)ないんじゃないかなってホッとした」と安堵とともに自信が湧き上がったといいます。
このコメントはのちにオチがつきます。是枝監督から「大悟さんが思うほど、違和感はない。僕としては普通」と太鼓判を押されていたにもかかわらず、大悟は本作の取材を受ける中で、監督が「あの違和感がいいんです!」と発言していたことを暴露して笑いを取っていました。「普通」と「違和感がいい」——どちらが本音かはわかりませんが、両方が大悟の「大悟らしさ」を肯定しているのは確かです。
バラエティ番組で「是枝やってる」と言っていた
完成披露試写会では、思わぬ”内部告発”もありました。野呂佳代さんが「大悟さんはバラエティ番組のお芝居をするコーナーで『是枝やってる』と言っている」と是枝監督に告げ口すると、大慌ての大悟をよそに、是枝監督が「画面に『是枝』と文字が大きく出るやつですよね? 写メ撮りました。もっと言って欲しい!」と意外にも声を弾ませると、大悟は「怒ってなかった……」と胸を撫で下ろしていました。
カンヌ国際映画祭——「もらえるなら、もろうとけばいいのに」
2026年5月16日、フランスのカンヌ映画祭で公式上映が行われました。上映中には涙を流す観客の姿も多く、大悟のセリフに客席から何度も笑いが巻き起こり、上映後には2,300人もの観客を収容する会場から9分にわたるスタンディングオベーションが続きました。
人生初のカンヌを経験した大悟の感想は、やはり飾り気がありません。「10分近くなんて拍手をしたこともないし、されたこともない。スタンディングオベーションを『もうそろそろ……』と止めている人も初めて見ました(笑)。もらえるなら、もろうとけばいいのに」と、是枝監督の人気ぶりに驚きつつ、独特の言い回しで喜びを表現しました。
カンヌでの是枝監督の世界的知名度にも驚いた様子で、「レッドカーペットで、外国の方がみんな『コレ・エダ、コレ・エダ』って。僕が昨日の街でロケしていましたけれども、日本人というだけで『コレ・エダか?』と聞かれ、『俺はコレ・エダではない』と。是枝の映画には出たぞと言っても、何を言っているんだみたいなことは言われましたけど、それぐらい(すごい)」と語り、世界での是枝ブランドの強さをリアルに体感したといいます。
さらにカンヌの囲み取材では、「本物の俳優でした(会場笑い)。今回だけです(笑)」という一言を放ち、国際的な場でも大悟節は健在でした。
海外プレスも大悟の演技を高評価
本作を鑑賞した海外プレスからは、「彼(大悟)が作品に動きを与えた。彼の演技は美しかった」といったコメントが寄せられています。
是枝監督が大悟を起用した理由については、「存在感があり、歩き方が独特で、人間味があってすごくいい顔をされています。70年代の日本映画界にいた俳優さんのような顔だなと。芸人さんやミュージシャンには勘が良く、間合いの取り方がうまく、掛け合いのお芝居が上手な方が時々いらっしゃいますが、大悟さんはまさにそうでした。勘が当たりました」と語っており、「人間味。今の若い人にはない人間臭さが良い」とも評しています。
芸人と俳優——大悟が語る共通点と違い
広島出身の綾瀬が、隣接する岡山出身の大悟のセリフについて「方言がしっくりきた。大悟さんだけ方言が自由だった」とコメントすると、大悟は「ワシだけ甘やかされてたみたいな(笑)。ちゃんとやりました」と振り返りました。
カンヌ出席前には「行ったことがないのでわかってない。レッドカーペットを歩くことになるでしょう? 車から出るのかな。車を降りた瞬間に、(綾瀬をエスコートするために)手を差し出せるかどうか。緊張してる」と現地での動き方を気にしていました。その細かすぎる心配性ぶりも、大悟らしさそのものです。
まとめ
お笑い界の頂点から、カンヌのレッドカーペットへ。「ビビってます」から始まった挑戦は、9分間のスタンディングオベーションという形で結実しました。「大悟が出た、大悟がしゃべった、で笑われないように」と誓って臨んだ撮影で、大悟さんは確かに、「本物の俳優」になっていたのです。予告編で観たけど、演技も素晴らしいですね。

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