皆さん、こんにちは!
なんだかんだと言っても映画が好きなのです。そこで本日は「シーシュポスたちのまなざし」を取り上げました。豊田レナさんは映画初主演。どんな映画なのか、また彼女はどういう俳優なのかも、ご紹介したいと思います。
現代社会の闇に斬り込む、骨太な青春映画
2026年6月5日公開の映画「シーシュポスたちのまなざし」(井上博貴監督)は、女優・豊田ルナ(23)が映画に初主演する、注目の作品です。
タイトルにある「シーシュポス」とは、ギリシャ神話に登場する人物で、巨石を山の頂まで押し上げるという終わりなき罰を与えられた王の名前です。何度繰り返しても報われない、理不尽な努力と苦しみの象徴として知られています。その名が複数形で用いられている本作のタイトルには、「どこにでもいる普通の人たちが、それぞれに報われない重荷を背負って生きている」という深いメッセージが込められているようです。
主人公・黒田真優(豊田)が在籍する大学では、ドキュメンタリー作品の制作を行う授業があり、真優はある事件をテーマとして提案します。それは、高校時代に男性教諭・新田(細田善彦)が男子生徒・野島(門間航)へ不適切な性的行為を行った不祥事でした。
週刊誌の記事、当事者の実名をさらすSNSの投稿などによって、当事者である野島の人生が大きく変わってしまった経緯をドキュメンタリー化することになります。
真優は野島を放送部の先輩として慕い、好意を抱いていました。しかし野島はその騒動をきっかけに学校へ来ることができなくなり、普通の生活が送れなくなってしまいます。理不尽さを感じた真優は、わずかなきっかけでうわさやSNSの情報に影響されてしまう集団心理の危うさを検証し、情報社会に警鐘を鳴らすような作品を目指すつもりでした。
ところが、撮影や取材を進めるうちに、地域として騒動の掘り起こしを歓迎していないことを肌で感じ、当時は知らなかった事実や自身の行為、そして新田と野島の関係の新たな一面を知っていくことになります。
男性間の性被害、SNSによる炎上と集団心理、そして若者たちのぶつかり合い——現代社会のリアルな問題点を、ドキュメンタリー制作という形式を通じて浮き彫りにする、骨太な作品です。
豊田ルナ本人のコメント
主演の豊田ルナさん自身も、この作品への強い思い入れを語っています。
脚本を最初に読んだときの印象について、「すごく普通の大学生だなっていう第一印象を持ったので、どうやってやろうかなと考えながら脚本を読んだ」と話し、主人公が抱える「後ろめたさをどのくらい表に出してやっていこうかというのが、ちょっと難しかった」と振り返っています。
作品のテーマについては「真面目で、ちょっと堅物感がある。まだ若いから感情をぶつけることもできる。こういうぶつかり合いって、若いこの年代でしかできない。その大事な時間の大事なストーリーを演じさせていただけるのは、すごくうれしかった」と語っています。
撮影は2年前の4月末からゴールデンウィークにかけて行われ、公開まで2年の歳月がかかりました。「役柄も、今までやったことのないジャンルだったからこそ、あそこまでできるんだ、こうやれたんだっていう経験値になりました」と、自身の成長を実感した様子を語っています。
さらに「経験値になって、物おじしないレベルみたいなの、ちょっと上がったというか。ここまで頑張れたし、きっとこれからも頑張れるだろうみたいな、糧になっていると思います」とも述べており、本作が女優としての大きな転換点になったことが伝わってきます。
キャスト紹介
黒田真優 役 / 豊田ルナ 本作の主人公。ドキュメンタリー制作を行う大学のサークルのリーダー的存在。高校時代に経験した事件の理不尽さをテーマに、仲間5人とともに作品作りに挑む。
男性教諭・新田 役 / 細田善彦 俳優・細田善彦が問題の教師を演じます。ドラマ「あなたの番です」などへの出演で知られる実力派俳優です。
野島 役 / 門間航 被害を受けた男子生徒を演じるのは、注目の若手俳優・門間航。
豊田さんは「本当にベテランの俳優の皆さまに助けられた作品でもあるので、その皆さまみたいになれたらいいなと思います」と語っており、共演者たちのサポートにも感謝を示していますよ。
見どころ
本作の最大の見どころは、重いテーマと繊細な人間描写の融合にあります。男性間の性被害という日本映画でもほとんど正面から取り上げられてこなかったテーマ、SNS時代の集団心理と炎上の恐ろしさ、そして「知ること」と「暴くこと」の間にある倫理的な葛藤——これらが、若者たちの青春群像劇として描かれています。
青春って、いろいろな形があると思う。もちろん恋愛とかスポーツもあると思うんですけど。仲間と一緒に一つの作品作りに取り組んでいることは、少なからず皆、興味がある。でも、その熱量がそれぞれ違ったり、ちょっと興味の分野が違ったり、得意分野が違ったりする。そういう仲間5人の中で、その先頭に立っているのが真優。
そう豊田さんが語るように、5人の若者それぞれの個性と衝突、成長が丁寧に描かれています。
また、ドキュメンタリーを「作る側」の若者たちが、取材を進めるうちに自分自身の加害性や無意識の偏見に気づいていく構造も、本作の深みを増す要素です。観る者に「自分がその場にいたらどうしたか」を問いかける作品と言えるでしょう。
豊田ルナ プロフィール
豊田ルナさんは2002年(平成14年)7月17日生まれ、埼玉県出身。19年(令和元年)に「ミスマガジン」グランプリを獲得。趣味は読書、お菓子作り、サッカー観戦。特技は韓国語とクラシックバレエ。身長161センチ、血液型O型。
5歳から子役として芸能活動を開始し、2019年に令和初の「ミスマガジン2019」でグランプリを獲得しました。グラビア活動と並行して活動していたアイドルグループ「Shibu3 project」を2021年3月に卒業後、同年7月から「ウルトラマントリガー」でドラマのカギを握るヒロインのシズマユナ役を務めるなど、女優としても活躍の場を広げてきました。
「ミスマガジン2019」ではグランプリに輝きましたが、当時16歳と最年少ながら、芸歴は歴代グランプリ最長という異例の記録も持っています。芸名「ルナ」はもともと「留妃」と書いて「ルナ」と読む当て字で、読みにくいという理由から事務所の社長の提案でカタカナ表記に改名しました。
現在は女優、グラビア、アイドル活動と多方面で精力的に活躍しており、目標の女優としてキムラ緑子(64)の名前を挙げ、「どのドラマにも出られていて、カメレオン俳優さんかなって思っていて。またこの人出てる、みたいな感じの方なので、そういう風になれたらいいなと思います」と語っています。
グラビアと女優の「二刀流」から出発し、今や確かな演技力で評価を高めつつある豊田ルナさん。映画初主演作「シーシュポスたちのまなざし」は、彼女の新たなステージを世に示す一作となりそうです。2026年6月5日の公開が楽しみですね。

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