【2028年大河ドラマ】「ジョン万」あらすじ・キャスト総まとめ|高知の偉人・中浜万次郎とは何者か?

大河ドラマ

2028年大河ドラマ「ジョン万」決定!高知が熱い──幕末の漂流者・中浜万次郎

2026年4月9日、NHKが2028年の大河ドラマを正式発表しました。タイトルは「ジョン万」。主人公は、幕末期に太平洋を漂流し、鎖国中の日本人として初めてアメリカに渡り、帰国後に日本の開国を陰で支えたジョン万次郎──本名・中浜万次郎です。

高知県ゆかりの偉人が大河ドラマの主役となるのは、2010年放送の「龍馬伝」(坂本龍馬)以来で、高知関連としては4作目。さらに連続テレビ小説でも、2023年の「らんまん」(牧野富太郎をモデルに)、2025年の「あんぱん」と続き、これほど短期間に高知ゆかりの人物がNHKの看板ドラマで取り上げられることは異例中の異例です。高知県民だけでなく、全国のドラマファンも注目の一作になりそうです。


地元・土佐清水市の「悲願」がついに実現

今回の発表を受け、万次郎の故郷である高知県土佐清水市では、地元住民が喜びの声を上げました。実は、大河ドラマ化を求める署名・要望活動は2012年に実行委員会が立ち上げられて以来、14年間にわたって地道に続けられており、集まった署名は24万筆にも達していたといいます。

実は筆者の田舎は土佐清水市なのです。署名・要望活動は以前から知っていますし、ほんとにうれしいですね!

土佐清水市内にある「ジョン万次郎資料館」の館長は、涙ながらにこう語りました。

「きょうはうれしくて…もう、何回泣いたかわかりません。『万次郎先生、すごいんだよ』というのをもう1度再認識してもらって、知らない方には知ってもらう、ここが一番最初。放送までまだ2年近くありますから、ジョン万次郎を知ってもらう『入り口』として、活動していきたい」

長年の悲願がついに叶った瞬間でした。


キャスト・脚本・物語の概要

大河第67作となる「ジョン万」の主演は、山﨑賢人さん(31歳)。映画「キングダム」シリーズや「ゴールデンカムイ」で知られる山﨑さんにとって、大河ドラマは初出演となります。山﨑さんは発表会見で「知れば知るほど魅力的な人。オファーをいただいたのは半年以上前。本当にワクワクしています」と力強く意欲を語りました。

脚本を手がけるのは藤本有紀さん。NHK連続テレビ小説「ちりとてちん」(2007年)や「カムカムエヴリバディ」(2021年)、そして大河ドラマ「平清盛」(2012年)など、NHKとの縁が深い実力派脚本家です。

物語の舞台は19世紀の日本とアメリカ、そして太平洋。「命がけのサバイバルの連続と、遥かなる再会のロマンを描く”漂流者”となった庶民の一大感動巨編」と公式に紹介されており、壮大なスケールのドラマになりそうです。万次郎が「日本を救う知と技を得た一流の船乗り」として成長していく姿を中心に、19世紀の日米関係や幕末の動乱も描かれることになるでしょう。放送開始は2028年1月の予定です。

なお、その他のキャストは現時点(2026年4月)ではまだ発表されていませんが、今後続々と明らかになっていくはずです。


そもそも、ジョン万次郎って何をした人?

「名前は聞いたことがあるけど、実際に何をした人なのかよくわからない」──そういう方も多いのではないでしょうか。ここで改めて万次郎の生涯を振り返ってみましょう。

貧しい漁師の子として生まれる

中浜万次郎は1827年(文政10年)1月、土佐国幡多郡中ノ浜村(現在の高知県土佐清水市)に、半農半漁で暮らす貧しい漁師の次男として生まれました。9歳で父を亡くし、家計を助けるために幼いころから稼ぎに出ていたため、寺子屋に通う余裕もなく、読み書きもほとんどできなかったといいます。

14歳で太平洋へ漂流

1841年(天保12年)、14歳だった万次郎は仲間とともに漁に出た際に暴風に遭い、太平洋上を漂流。やがて無人島「鳥島」に漂着します。過酷な無人島生活を続けること143日後、アメリカの捕鯨船「ジョン・ハウランド号」に救助されました。この出会いが、万次郎の運命を大きく変えることになります。

アメリカへ──鎖国の壁を越えた少年

救助された仲間4人はハワイに降ろされましたが、万次郎はそのままアメリカへ渡ることを自ら選びました。当時の日本は鎖国中。アメリカに渡った日本人は、帰国すれば命の保証もない時代でした。それでも万次郎は、好奇心と向上心に従い、未知の大陸へ飛び込んだのです。

船長のホイットフィールドに気に入られた万次郎は、船名にちなんで「ジョン・マン(万)」という愛称を与えられ、マサチューセッツ州フェアヘイブンへ。船長の養子となり、現地の学校で英語や数学、航海術を学びます。卒業後は水夫として働き、さらにはカリフォルニアのゴールドラッシュに参加して帰国費用を稼ぐなど、たくましい行動力を発揮しました。

帰国後──日本の開国を支えた人物

1851年(嘉永4年)、万次郎は琉球に上陸し、薩摩・長崎での長い取り調べを経て、1852年にようやく故郷の土佐へ帰ります。約10年ぶりの帰郷でした。

土佐藩は万次郎のアメリカでの見聞を詳細に記録させ、その内容は「漂巽紀略(ひょうそんきりゃく)」としてまとめられました。この資料は坂本龍馬をはじめとする多くの幕末志士たちも目にしたとされ、開国への思想的影響を与えたと言われています。万次郎の教えを直接受けた人物には、後藤象二郎や岩崎弥太郎の名も挙がります。

その後、幕府に召し出された万次郎は「中浜」の姓を授かり幕臣となり、英語の通訳・翻訳家として活躍。1860年(万延元年)には咸臨丸に乗り込み、日米修好通商条約の批准使節に随行してアメリカへ再び渡りました。この航海では、船酔いがひどく指揮を執れなかった船長・勝海舟に代わり、万次郎が船内の秩序を保つ役割を担ったとも伝えられています。

明治維新後は、新政府のもとで開成学校(現在の東京大学の前身)の英語教授に就任。日本初のアメリカ留学生として英語を身につけた万次郎は、日本に近代英語教育をもたらした先駆者でもありました。1898年(明治31年)、71歳で東京にて生涯を閉じました。

ひとことで言えば、万次郎は「鎖国の時代に、一介の漁師の子として漂流し、アメリカで一から学び、帰国して日本の開国と近代化を支えた、奇跡のような人物」です。大袈裟ではなく、彼がいなければ幕末の日本の歩みは少し違っていたかもしれません。


ジョン万次郎をもっと知りたい!おすすめ本5冊

大河ドラマの放送まで約2年。その間にぜひ万次郎の生涯を本で予習しておきたいところです。伝記から小説、歴史評伝まで、さまざまな角度から万次郎を知ることができる5冊を紹介します。他にも多数ありますし、漫画本も多いですけどね。


①『ジョン万次郎漂流記』 井伏鱒二 著(岩波文庫ほか)

1938年に第6回直木賞を受賞した、万次郎ものの古典的名作です。「ジョン万次郎」という呼び名を広く世に知らしめたのも、この作品といわれています。文豪・井伏鱒二が万次郎の漂流から帰国までを淡々かつ生き生きと描いており、読みやすく、まず最初に手に取るべき一冊です。万次郎の冒険の骨格をつかむのに最適です。


②『ジョン万次郎の羅針盤』 中濱武彦 著(冨山房インターナショナル)

著者は万次郎の直系四代目の曾孫にあたる中濱武彦さん。子孫だからこそ語れる新資料や家に伝わるエピソードを交えながら、万次郎の人物像をリアルに描いた伝記的作品です。「人間としての誠実さ、努力や勤勉、感謝の気持ち、目的に向かう勇気」が丁寧に記されており、歴史上の偉人ではなく、血の通った一人の人間としての万次郎に出会えます。同じ著者の『ファースト・ジャパニーズ ジョン万次郎』(講談社)も合わせておすすめです。


③『漂巽紀畧 全現代語訳』 河田小龍 著・武知義勝 訳(講談社学術文庫)

万次郎が帰国後に土佐の絵師・河田小龍に語った見聞をまとめた一次資料の現代語訳版です。万次郎自身の言葉(口述)をもとに書かれているため、彼が体験したアメリカの驚異や漂流の実相が、ほかのどの本よりもリアルに伝わってきます。鉄道や建築、風俗の挿絵も充実しており、当時の日本人がいかに衝撃を受けたかが目に見えるように伝わってきます。より深く万次郎の実像に迫りたい方にぴったりの一冊です。


④『ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂』 マーギー・プロイス 著・金原瑞人 訳(集英社)

アメリカ人作家が書いた万次郎の物語で、アメリカの優れた児童文学に贈られる「ニューベリー賞」を2011年に受賞した作品です。日本語版は金原瑞人さんの訳で読みやすく、万次郎の漂流から帰国までをドラマティックに描いています。「外から見た万次郎像」という視点が新鮮で、大人が読んでも十分に引き込まれます。中高生や若い読者にも特におすすめの一冊です。


⑤『ジョン・マン』 山本一力 著(講談社文庫)

高知県出身の直木賞作家・山本一力が、郷土の偉人・中浜万次郎の生涯を壮大なスケールで描いた長編大河小説。「ジョン・マン」シリーズは、中浜万次郎の激動の生涯を描いた全7巻。土佐の貧しい少年が遭難からアメリカ渡航、帰国を経て幕末の日本に貢献するまでを講談社文庫より刊行。万次郎が渡った世界に読者も連れていってくれるような読み応え抜群の作品です。


おわりに──2028年が待ち遠しい

高知は「龍馬伝」に始まり、連続テレビ小説「らんまん」「あんぱん」、そして今度は大河「ジョン万」と、近年これほど立て続けにNHKの大型ドラマで取り上げられる県は他にないでしょう。それだけ高知の先人たちの物語が、時代を超えて人々の心を動かす普遍的な魅力を持っているということだと思います。

ジョン万次郎の物語は、「貧しい漁師の子が、世界を渡り、国を変えた」という、まさに現代にも通じる夢と勇気の物語です。山﨑賢人さんがどんな万次郎を演じるのか、藤本有紀さんの脚本がどんな物語を紡ぐのか、今からとても楽しみです。

まずは上で紹介した本を手に取りながら、2028年の放送をゆっくりと待ちわびましょう。


参考:テレビ高知「2028年大河ドラマ『ジョン万』地元は歓喜・涙」(Yahoo!ニュース、2026年4月9日)、日刊スポーツ「NHK発表 山﨑賢人が2028年の大河ドラマで初主演」ほか

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