女優・常盤貴子さん(53)が、いま静かに、しかし力強く注目を集めています。 かつて90年代のテレビドラマを席巻し「平成連ドラの女王」と称された常盤さんが、能登半島への深い愛情と、防災士という資格取得という行動力で、また新たな輝きを見せています。
2026年3月30日からはNHK夜ドラ『ラジオスター』が放送開始。約11年越しの「能登との縁」が、今まさに大きく動き出しました。
「平成連ドラの女王」と呼ばれた輝かしい芸歴

写真引用:https://be-story.jp/people/159854/
常盤貴子さんが芸能界に飛び込んだのは、短大在学中のことでした。現在も所属するスターダストプロモーションを自ら訪問し、採用を勝ち取ったといいます。ただしデビュー当初は脇役ばかりで、路上ライブの司会など地道な下積み生活が続いたそうです。
転機となったのは、1995年放送のTBSドラマ「愛していると言ってくれ」でした。俳優・豊川悦司さんの恋人役を演じた常盤さんは一躍ブレイクし、一時代を築く女優への道を歩み始めました。
その後は90年代にドラマ主演を7連投するという、当時としては異例の快挙を成し遂げます。同時期に複数の作品で主演を連続して務めることは当時の業界では珍しく、その人気のあまり事務所には視聴者やテレビ局からクレームが届くほどだったといいます。
そしてキャリアの頂点とも言える作品が、2000年放送のTBSドラマ「Beautiful Life」です。木村拓哉さんとのW主演で社会現象となり、最終回の視聴率はなんと41%超。平成ドラマ史に残る一作として、今も語り継がれています。
プライベートでは1995年に松本人志さんとの熱愛が報じられ、記者会見での飄々とした対応も話題になりました。
2009年には演出家で俳優の長塚圭史さんと結婚。長塚さんが演出する舞台に今も出演するなど、公私ともに充実した日々を送られています。
「能登はやさしや土までも」── 2015年、運命の出会い
常盤貴子さんと能登半島の深い縁は、2015年のNHK連続テレビ小説『まれ』への出演から始まりました。能登を舞台にしたこの作品で、常盤さんは初めてその地を訪れました。透き通った海、新鮮な食べ物、そして何より地元の人々の温かな笑顔──。常盤さんはこの土地の空気に、すっかり魅了されてしまったそうです。
撮影の合間には自らレンタカーを運転し、海辺で台本を読んだり、地元の人々と交流したりと、仕事の枠を超えて能登の風土に溶け込んでいきました。地元関係者によれば、そのありのままの姿が地域の人々にも愛されたといいます。
『まれ』の撮影後も、能登との縁は途切れることなく続きました。珠洲市で開催される「奥能登国際芸術祭」では朗読劇に参加し、地元新聞での連載コラムも執筆されています。舞台の枠を超えた活動を通じて、能登の「ファン」から「仲間」へと、その立場を深めていきました。
能登半島地震──行動する女優の決意
2024年1月1日、能登半島を最大震度7の巨大地震が襲いました。常盤貴子さんは地震発生直後、能登の親しい方々へ「大丈夫? 返信不要です」とメッセージを送り、遠くから被災地の友人たちを気遣ったといいます。
地震発生からおよそ2ヶ月後、常盤さんは「まれチーム」の仲間たちとともに炊き出し活動に参加されました。さらに、被害が甚大で通常ではたどり着くことも難しい奥能登の珠洲市大谷地区にも足を運ばれました。多くの人が躊躇するような被災地の奥深くまで、自分の足で赴いた行動力は、「有名人のボランティア活動」という言葉では到底言い表せない、本気の姿勢を示しています。
2026年3月20日放送のNHK「インタビュー ここから」では、能登への思いをこう語っています。「『人間 常盤貴子はなにを求めるのか?』と考えたとき、たった1人の笑顔でも取り返すことができたらと思うようになった」──シンプルですが、深い言葉です。
さらに2025年10月には、石川県小松市の純喫茶「パーラーアコ」を訪問するなど、被災地周辺へのプライベートな訪問も続けられているといいます。常盤さんの「能登愛」はパフォーマンスではありません。日常の延長線上にある、常盤さんの自然な生き方なのです。
防災士の資格を取得──行動する女優、ここに極まる
常盤貴子さんをめぐる最新の話題の中でも、特に注目を集めているのが「防災士」の資格取得です。
防災士とは、社会の様々な場で防災力を高める活動が期待されている資格で、取得には防災士研修の受講・修了と、認定試験合格が必要とされます。決して取得が簡単な資格ではありません。
常盤さんがこの資格取得を決意されたのは、身近な方が能登半島地震で被災した経験がきっかけだったといいます。「被災した人の気持ちを少しでも理解したい」「もし次に何かあったとき、少しでも力になれる自分でいたい」──そうした思いが常盤さんを行動へと突き動かしました。
女優という職業は、作品を通じて人々に何かを伝えることを使命とするものです。しかし常盤さんは、スクリーンの外でも「伝える」ではなく「行動する」を選ばれました。防災士という資格は、その生き方の象徴と言えるでしょう。
2026年、NHK夜ドラ『ラジオスター』── 能登への思いを乗せて
そして今、常盤貴子さんは再び能登の物語へと戻ってきました。
2026年3月30日よりNHK総合「夜ドラ」枠でスタートした『ラジオスター』は、全32回にわたって放送される連続ドラマです。地震と豪雨によって傷ついた奥能登の町を舞台に、素人の町の住民たちが災害FMラジオ局を立ち上げ、「笑い」を武器に復興へ立ち向かう姿を描いています。
主演は福地桃子さん、共演に甲本雅裕さん、渋川清彦さん、甲斐翔真さん、風間俊介さんらが名を連ねる中、常盤貴子さんが演じるのは「小野さくら」という地元住民の主婦です。おしゃべり好きなみんなのお姉さん的存在で、料理人の夫とともに夢だったペンションを建てようとしていたものの、地震によって建設が中断されています。町に絆を取り戻したいという思いからラジオ局の開局に参加するという役どころです。
主題歌はMISIAさんが歌う「舟いっぱいの幸を」(詞・曲:松任谷由実さん)。試写記者会見では常盤さんは次のように語っています。「涙が出るほどうれしくて。まだ帰れていない方々には『やっぱり帰りたい』と思ってもらえるようなドラマになったらいいな」──その言葉には、11年分の「能登愛」がにじんでいました。
『まれ』から始まった能登との縁が、地震という試練を経て、この作品へとつながっています。常盤貴子さんにとってこのドラマは、単なる「仕事の一本」ではありません。そこには常盤さんの人生そのものが重なっているのです。
2026年、さらに充実する現在の活動
常盤貴子さんの2026年は、『ラジオスター』だけではありません。
NHK BSプレミアムドラマ『京都人の密かな愉しみ Rouge ─継承─』にも主演として出演されており、2026年1月4日よりスタートしています。人気シリーズの新章で、主人公・三上(沢藤)三八子役を演じられています。
また、2025年にはTBS日曜劇場『御上先生』にも冴島悠子役で出演。人気枠での存在感も健在です。
さらに2025年5月には、フォトエッセイ『小さな幸せで満たす日々』(主婦と生活社)を発売されました。プライベートな日常や内面的な思いをつづったこの作品は、女優としてのみならず、等身大の「常盤貴子さん」の姿を届けるものとして話題を呼んでいます。
文化放送では2026年1月1日に「常盤貴子 能登に寄せて~声でつなぐ復興の輪~」という新春特番も放送されるなど、ラジオの世界でも能登への思いを発信し続けています。
なぜ今、常盤貴子さんが注目されるのか
90年代の大ブレイクから約30年。常盤貴子さんが今また注目を集めている理由は、単純に「かつて有名だった女優」という文脈だけでは説明できません。
常盤さんが体現されているのは、「有名人としての社会貢献」ではなく、「一人の人間としての本気のコミットメント」です。炊き出しへの参加、困難な被災地への訪問、そして防災士という資格取得。どれも「やった」と言えばそれで十分なはずのことを、常盤さんは黙々と続けてこられました。
SNS時代、人々は本物を見極めることに敏感です。常盤貴子さんの「能登愛」が広く支持されているのは、それが純粋に本物だからではないでしょうか。
53歳という年齢は、女優としてのキャリアの節目と見られることもあります。でも常盤貴子さんにとっては、人間としての深みがそのまま女優としての厚みになっています。これほど豊かな俳優さんが、今の日本のドラマシーンにいるということを、もっと多くの人に知ってほしいと思います。
NHK夜ドラ『ラジオスター』は2026年3月30日(月)より毎週月〜木、22時45分〜23時に放送中です。能登の”今”を描いた、必見のドラマです。
参考:週刊文春(2026年4月2日号)、スターダストプロモーション公式サイト、NHK公式サイト

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